電磁波の影響で病気になるの?どんな症状がある?

体の調子が悪い、疲れやすい、ストレスを感じるといった症状の原因が電磁波かもしれないと思ったことはありませんか?

本当に電磁波の影響で病気になるのでしょうか?

ここでは電磁波と病気の関係について解説します。

電磁波と病気の関係性

電磁波と病気の関係性について、公的機関および一般的な見解を見てみましょう。

結論を先に申し上げると「電磁波と病気は因果関係がない」と考えられています。

公的機関の見解

WHO(国際健康機関)や総務省をはじめとする公的機関は、電磁波と病気を結びつける科学的な根拠はないとしています。

また、電力会社や携帯電話事業者、家電製品メーカーも同様で、WHOや総務省の見解にならい、電磁波と病気の関係性はないとする見方が一般的です。

したがって、公的機関の見解としては「電磁波の影響で病気になることはない」と考えられています。(明言はしていないことに注意しましょう)

電磁波と病気の関係性については、公的機関が認めていないため実質的には関係性がないのです。(仮に、関係性があったとしても公的機関が認めない限り変わらない)

また、公的機関の見解であるものの「科学的な根拠はない」という玉虫色の表現が用いられていることも把握しておきましょう。

研究機関や民間レベルの見解

電磁波の影響と病気の関係を巡っては、多くの研究機関や研究者らが因果関係を主張しています。

例えば、関西医療大学保健医療学部の亀節子先生は2018年に「人工電磁波がもたらす健康影響について-電磁過敏症をめぐる諸問題-」という総説を発表し、電磁波過敏症(EHS)のメカニズムは不明としたうえで「一種の公害病である。(P.18)」と指摘しています。
参照元:関西医療大学保健医療学部 人工電磁波がもたらす健康影響について-電磁過敏症をめぐる諸問題-

民間の一部では「電磁波の影響で何かしらの病気を発症する」という見解が続いていますが「科学的な根拠がない」ことや「発症の継続性が見られない」ことから、あまり認知されていないのが実情と言えるでしょう。

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悪い思い込みのノセボ効果?

心身の不調は電磁波によるものと思い込んでいる場合、ひょっとすると「ノセボ効果」が働いているかもしれません。

ノセボ効果はひとつの考え方として知っておきましょう。

詳しくは電磁波の影響はノセボ効果なの?で解説します。

電磁波の影響はノセボ効果なの?
電磁波とノセボ効果(ノシーボ効果)について事例や実験結果などを含めて解説しています。

どんな病気の症状があるの?

電磁波と病気の因果関係は科学的な証拠こそ認められていないものの、様々な症状が疑われています。

電磁波過敏症(EHS)

先述の「人工電磁波がもたらす健康影響について-電磁過敏症をめぐる諸問題-」内の「5)マイクロ波の影響によるその他の症状(P.16)」では、電磁波のひとつであるマイクロ波による影響として以下のような症状を挙げています。

グループ名主な症状
グループ 1症状なし
グループ 2睡眠障害、疲労、うつ傾向
グループ 3頭痛、不眠、ぼんやり状態、集中力欠如、もの忘れ、学習困難、言葉のでない状態
グループ 4頻繁な感染症、静脈洞炎、リンパ節の腫れ、関節と手足の痛み、神経や筋肉の痛み、しびれ又はひりひりする、アレルギー
グループ 5耳鳴り、聴力低下、聴力の急喪失、めまい、平衡感覚欠如、視覚障害、眼炎症、目が乾く
グループ 6頻拍、断続的高血圧、意気消沈
グループ 7他の症状(ホルモン障害、甲状腺異常、寝汗、多排尿、体重増加、吐き気、食欲不振、鼻血、皮膚病、腫瘍、糖尿病)

これらの症状は一般的に「電磁波過敏症(EHS)」と呼ばれ、悩んでいる人がたくさんいます。

しかし「電磁波の影響と結びつける科学的な根拠がない」という理由で、病気として扱ってもらえないのです。

加えて、電磁波過敏症は医学的な診断名ではない(病気ではない)ことを覚えておきましょう。

電磁波過敏症について詳しく知りたい方は電磁波過敏症(EHS)は思い込み?意味や症状、対策を紹介を参考にしてください。

電磁波過敏症(EHS)は思い込み?意味や症状、対策を紹介
「電磁波過敏症(EHS)」について症状、エビデンス、治療法、対策などについてまとめています。

脳腫瘍

2017年12月、アメリカのカリフォルニア州では、電磁波が脳に悪影響を与え、脳腫瘍を発症する懸念があるとし、ガイドライン「How to Reduce Exposure to Radiofrequency Energy from Cell Phones」が設けられました。

州政府がガイドライン制定に動いたことや、同時期に携帯電話を多用していたとされるジョー・バイデンの息子ジョセフ(46)や、大物共和党議員のジョン・マケイン(81)らが脳腫瘍により相次いで死亡したことから、アメリカ全土に電磁波の影響で脳腫瘍を発症するという評判が広まりました。

電磁波と脳腫瘍の関係は電磁波過敏症と同様で、科学的な根拠が示せないことからないと見られていますが、2014年10月、国際がん研究機関(IARC)は、携帯電話などから発せられる無線周波電磁界を「発がん性があるかもしれない(Group 2B)」に評価しています。
参照元:WHO ファクトシート 193

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このページではスマートフォンと電磁波の関係についてまとめています。影響、対策、5Gについて分かります。

小児白血病

電磁波の影響で小児白血病を発症するという評判も続いています。

1979年にアメリカで実施された「送電線に関係する電磁波と小児がんとの関連」の研究を皮切りに、反証を含めた多くの研究が続けられてきました。
参照元:1979, N Wertheimer, E Leeper: Electrical wiring configurations and childhood cancer

1992年、スウェーデンのカロリンスカ研究所(Karolinska institutet)が発表した「電磁波と小児白血病との関連」が国内メディアで大きく報じられたことから、その関係性を疑う傾向が現在でも続いています。
参照元:1992, Karolinska institutet: Magnetic fields and cancer in people residing near Swedish high voltage power lines

一方、WHOは2007年に電磁波と小児白血病を関連付ける証拠が乏しく、因果関係は認められないと結論付けています。
参照元:WHO:Exposure to extremely low frequency fields

まとめ

電磁波の影響で病気になることは、因果関係を示す証拠がないため、認められないと考えられています。

一方で、電磁波過敏症に悩む人もいることから決して無視できないことです。

過度な心配はストレスを生むので控えた方が良いでしょうが、適切な知識と対策に取り組むことは悪いことではありません。

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