スマートフォンや5G、スマートメーターといった物から生じる電磁波が心身に悪影響を及ぼすと心配している人は多いと思います。
これらに対する電磁波対策も大切ですが、ノセボ効果(ノシーボ効果)と呼ばれる心理現象についても理解すると良いかもしれません。
この記事では、ノセボ効果について解説します。
電磁波の影響に関係があるとされるノセボ効果とは?
ノセボ効果とは、不安や疑心を抱いた状態だと本来ならば得られるはずの効果が得られなくなる心理作用のことです。
英語では「Nocebo Effect」で、日本語の発音にすると「ノセボ」や「ノシーボ」となります。
ノセボ効果は「悪く思い込むことで何をしても悪く思えてしまう状態」と言えます。
ノセボ効果の例
ノセボ効果の例を見てみましょう。
例えば、お医者さんが患者さんに対して「この薬を飲めば腹痛が治ります」と実際に効果がある薬を渡したとします。
一方で、患者さんがそのお医者さんのことを信頼していなければ、腹痛が治ったのに治っていない、あるいは他の部位が不調を起こしたとネガティブに考えてしまうことです。
患者さんは悪いこと(医師を信じていない)を思い込んでいるので、何をしても悪い状態に思えてしまうのです。
ノセボ効果の実験
電磁波過敏症と電磁波の関係性について、ノセボ効果の可能性を主張する実験があります。
2012年、一般財団法人電気安全環境研究所電磁界情報センターは「電磁過敏症とノセボ効果について」という研究結果を公表しました。
研究内容を端的に述べると「電磁波の悪影響を受けていると確信している電磁波過敏症の人たちに反復実験を実施したが、関係性は証明出来なかった」というものです。
また、結論として「EMFが彼らの病気の主な原因ではないという示唆を支持する」としています。
ごく簡単に言うと、電磁波過敏症とEMFには関係性はなく、本人たちの思い込み(ノセボ効果)ではないだろうかということです。
ノセボ効果こそ嘘なのでは?
電磁波過敏症で悩む人たちには「ノセボ効果こそ嘘」という考えもあるようです。
スマートフォンの普及や5Gタワーの建設を進めたい企業からしてみれば、電磁波過敏症で悩む人たちと衝突することは避けたいところです。
そこで企業としては、訴訟リスクや建設阻止を避けるため「電磁波は有害でない」という結論ありきの研究結果を作っているというのです。
企業としては、公的機関による「電磁波は有害でない」という研究結果があれば裁判でも有利ですし、社会を説得するのに十分です。
この研究結果において「ノセボ効果」を主張することで、電磁波と電磁波過敏症の関係性が曖昧になって、話がうまくまとまるという訳です。
あくまでも主張のひとつのため鵜呑みにしてはいけませんが、このような考えもあるのですね。
ノセボ効果の反対はプラシーボ効果
ノセボ効果は「悪い思い込み」であるのに対し、その反対である「良い思い込み」なのがプラシーボ効果です。
プラシーボ効果は「偽薬効果」としても知られている心理作用で、良い思い込みをしている状態だと良い結果が得られることです。
例えば、医師が「効果がある」と薦めた薬が実際には効果がない薬であったとしても、その医師を信じている患者は元気になるということです。
昨今流行りの天然石やパワーストーンの効果については電磁波対策として天然石やパワーストーンは効果あるの?も読んでみてください。
まとめ
ノセボ効果は電磁波が心身に影響を与えると思い込む心理作用ということが理解出来たと思います。
ひょっとすると心身不調の原因は電磁波によるものではなく、悪い思い込みによるノセボ効果の可能性かもしれないことを知るのが大切です。