電磁波は人体に影響がある、電磁波で病気になる、電磁波はカットしないと危険といった噂を耳にすると思います。
また、電磁波の影響は嘘やデマだとする声もありますよね。
電磁波(EMF)は人体に影響があるのでしょうか?
ここでは、電磁波(EMF)が人体に影響があるのか、どんな影響が考えられるのかなど、これまでの研究結果を参考にご紹介します。
電磁波の人体影響に関する公的機関の見解
電磁波(EMF)が人体に与える影響に公的機関の見解をまとめました。
総務省による見解
総務省が発表した資料を要約すると「電磁波が人体に与える影響については、根拠を示せる影響はなく、対策として高い安全性の規制を設けている」となります。
以下、引用を含めて詳しくご紹介します。
総務省がまとめた「電波の人体に対する影響」の「4. 電波の生体に対する影響」によると、100kHz以下の低周波では刺激作用、100kHz以上の高周波では熱作用があると紹介しています。
また「携帯電話基地局や放送局などから発射される弱い電波を長期間浴びた時の健康影響(非熱作用)については、現在のところ、熱作用による影響以外に根拠を示すことのできる影響は見つかっていません。」とあります。
無線通信に使われている電波による人体への悪影響は、熱作用によるものがはっきりしているとし、その対策として一般環境では電波の強さの基準値を50倍の安全率にした「電波防護指針」を定めています。
また「8. 電波の健康リスク」では、「電波防護指針により守られていますので、熱作用により健康に悪影響が生じることはありませんし、がんやその他の健康に対して悪影響を及ぼすとの根拠は見つかっていません。」としています。
スマホによる影響について知りたい方はスマホの電磁波の影響は嘘なの?対策法も紹介がおすすめです。
5Gの影響が心配な方は5Gの電磁波は影響ある?効果的な対策は?も読んでみてください。
WHO(IARC)の見解
世界保健機関(WHO)の下部組織である国際がん研究機関(IARC)は、2014年10月に携帯電話などから発せられる無線周波電磁界を「発がん性があるかもしれない(Group 2B)」に評価しました。
参照元:WHO ファクトシート 193
この研究は、携帯電話が脳腫瘍を招く潜在的な原因になるかどうかを判断するもので、疫学研究と動物の長期ばく露実験研究の限定的な証拠に基づいています。
つまり、WHOは電磁波の人体への影響は否定しておらず、可能性を含んだ見解です。
ちなみに、Group 2Bにはガソリンの排ガスや鉛、軽油などの要素が含まれています。
結局はどっち?
総務省とWHOの見解を見ても分かる通り、電磁波が人体に与える影響は断言できる状態にありません。
つまり、どちらとも言えないのです。
総務省は「有害性については根拠を持って示せない」という見解で、WHOは「発がん性があるかもしれない」と、両者が玉虫色の表現を用いています。
これは両者が責任から逃れようとしているのではなく、長期的な観察や研究の量が少ないため、判断は慎重にならざるを得ない事情があるのです。
電磁波と人体影響については、一般的に信頼されている公的機関でさえも断言できない特殊な状況にあると言えるでしょう。
総務省やWHOの見解はひとつの要素としたうえで、あなた自身で判断することが大切です。
EMFについてはEMF(Electromagnetic Fields)とは?意味や影響、対策を解説も参考にしてください。
電磁過敏症(EHS)について
電磁波が人体に与える影響に「電磁過敏症」があります。
電磁過敏症とは、電磁波を浴び続けると以下のような症状が出ることを言います。
- 皮膚症状(発赤・チクチク・灼熱感)
- 神経衰弱症状
- 自律神経系症状(倦怠感・疲労感・めまい・吐き気)
電磁過敏症は「電磁波過敏症」と表現されることもあり、英語では「Electromagnetic Hypersensitivity」の頭文字をとって「EHS」となります。
注意すべきこととして、電磁過敏症はあくまでも呼称に過ぎず、医学的な診断名ではありません。
この背景には、ダブルマスキング法(本人に電磁波のON/OFFを伝えずに繰り返し、電磁波の有無を自覚できるか)による研究において、電磁波と症状の発症が関連付けられなかったことがあります。
つまり、電磁過敏症は裏付ける証拠がないため、個人的な何らかの不調としてみなされます。
事実、2005年12月に発表されたWHO ファクトシート 296では「EHSには明確な診断基準がなく、EHSの症状を電磁界ばく露と結び付ける科学的根拠はありません。」と結論付けています。
参照元:WHO ファクトシート 296
電磁過敏症は、電磁波そのものが原因ではなく、職場や学校、家庭の環境ストレスをはじめ、電磁波を過度に恐れる際に生じるストレスが関係していると考えられています。
電磁波過敏症(EHS)について詳しく知りたい人は電磁波過敏症(EHS)は思い込み?意味や症状、対策を紹介を参考にしてください。
電磁波過敏症は、ひょっとするとノセボ効果という心理作用が影響しているかもしれません。電磁波の影響はノセボ効果なの?で詳しく解説します。
個人的な体験談
この記事を書いている筆者の個人的な経験談です。
僕は慢性的な肩こりや偏頭痛、倦怠感、活力不足があります。
運動不足や睡眠の質が悪いと思い、色々試してみましたが改善されませんでした。ある時、パソコンのWi-Fiシグナルが周辺の物も含めて20件以上感知していることに気づいて、電磁波の影響かも?と思うようになりました。
電磁波対策グッズとして導入した「EMF Safe Haven」を使うようになってからは睡眠の質が向上し、倦怠感と活力不足は解消されたと思います。(肩こりと偏頭痛は長時間デスクワークのせいかも)
もちろん、気のせいかもしれませんし、プラセボ効果かもしれません。
いずれにせよ、EMF Safe Havenを使うことで「まわりの波長が落ち着いた」という感覚があります。
このような経験から、僕には電磁波対策が必要であり、有効だと感じています。
EMF Safe Havenについて詳しく知りたい方は部屋に簡単設置!電磁波対策におすすめのEMF Safe Havenも参考にしてください。
まとめ
電磁波(EMF)が人体に影響を与えるかどうかは「どちらとも言えない」状況にあります。
仮に、影響があると判断しても「根拠がない」となり、影響がないと判断しても「いくつかの研究が影響を主張している」となります。
大切なことは公的機関やインターネット上の情報を集約し、偏った思想にならぬよう注意したうえで、あなた自身が心身ともに健康でいられる環境を作ることです。